Oracle Databaseを使うためには、Oracle Databaseソフトウェアをインストースして、それからOracleインスタンス(Oracle Database)を作成するという流れになります。
Oracle DatabaseソフトウェアとOracleインスタンスは1対1の関係ではなく、1つのOracle Databaseソフトウェア上で複数のOracleインスタンスを作成する事ができます。なお、Oracleインスタンスが別であればOracle Databaseを使う上では同じマシン上か別マシン上かの区別はありません。よって1台のマシンで別インスタンスを立ち上げれば、ユーザ管理なども含めて別々の環境を作る事ができます。もちろん同じマシン上であれば同じマシンの資源を取り合う事もありますので本番環境としてはお勧めできませんが、例えば開発環境を作る場合などには便利でしょう。
環境変数の設定
Oracle Databaseソフトウェアを導入する時点で必要な環境変数は次のようなものになります。
export ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
export ORA_CRS_HOME=/u01/crs/oracle/product/10/crs
export NLS_LANG=Japanese_Japan.AL32UTF8
export LANG=ja_JP.UTF-8
export ORACLE_HOME=$ORACLE_BASE/product/10.2.0/db_1
export ORA_NLS33=$ORACLE_HOME/ocommon/nls/admin/data
export PATH=$ORA_CRS_HOME/bin:$ORACLE_HOME/bin:$PATH
export LD_LIBRARY_PATH=.:$ORACLE_HOME/lib:$LD_LIBRARY_PATH
事前チェック
cluvfyコマンドによりインストールの前提条件がクリアできているかを確認します。例のごとくVIP関連のエラーが発生しますが、エラーがそれだけであれば問題ありません。
[oracle bin] ./cluvfy stage -pre dbinst -n hogehoge11,hogehoge12
データベース・インストールの事前チェックを実行しています
ノード到達可能性をチェック中...
ノード"hogehoge11"からのノード到達可能性チェックに合格しました。
ユーザー等価をチェック中...
ユーザー"oracle"のユーザー等価チェックに合格しました。
管理権限をチェック中...
"oracle"のユーザーの存在チェックに合格しました。
"oinstall"のグループの存在チェックに合格しました。
グループ"oinstall"内のユーザー"oracle"[プライマリ]のメンバーシップ・チェックに合格しました。
"dba"のグループの存在チェックに合格しました。
グループ"dba"内のユーザー"oracle"のメンバーシップ・チェックに合格しました。
管理権限チェックに合格しました。
ノード接続性をチェック中...
ノードhogehoge12,hogehoge11を持つサブネット"10.0.0.0"のノード接続性チェックに合格しました。
ノードhogehoge12,hogehoge11を持つサブネット"192.168.247.0"のノード接続性チェックに合格しました。
サブネット"10.0.0.0"のプライベート・インターコネクトに適したインタフェース:
hogehoge12 bond0:10.0.0.2
hogehoge11 bond0:10.0.0.1
サブネット"192.168.247.0"のプライベート・インターコネクトに適したインタフェース:
hogehoge12 bond1:192.168.247.12 bond1:192.168.247.22
hogehoge11 bond1:192.168.247.11 bond1:192.168.247.21
ERROR:
VIPに適したインタフェースのセットが見つかりませんでした。
ノード接続性チェックが失敗しました。
システム要件をチェック中: 'database'...
この製品用のチェックが登録されていません。
CRS整合性をチェック中...
デーモン活性をチェック中...
"CRS daemon"の活性チェックに合格しました。
デーモン活性をチェック中...
"CSS daemon"の活性チェックに合格しました。
デーモン活性をチェック中...
"EVM daemon"の活性チェックに合格しました。
CRS状態をチェック中...
CRS状態チェックに合格しました。
CRS整合性チェックに合格しました。
ノード・アプリケーションの存在をチェック中...
VIPノード・アプリケーションの存在をチェック中です (必須)
チェックに合格しました。
ONSノード・アプリケーションの存在をチェック中です (オプション)
チェックに合格しました。
GSDノード・アプリケーションの存在をチェック中です (オプション)
チェックに合格しました。
データベース・インストールの事前チェックはすべてのノードで失敗しました。
Oracle Databaseソフトウェアのインストール
OUIの指示にしたがって選択していきますが、SE RAC (Oracle Database Standard EditionによるRAC) の場合は、ライセンス上の制限によりカスタムインストールを選択することができません。必ず「Standard Edition」を選択してください。
PRKC-1002エラーの対処
インストール操作をしているノードよりも他のノードの時間が遅い場合、PRKC-1002エラーが表示されますが、特に対応は不要です。気になるようならば時刻を合わせておくか、インストールしているノードの時間が一番遅くなるように調整すると良いでしょう。
Oracle Databaseソフトウェアのインストールの後処理
インストールの最終ステップでは、rootでのコマンド実行があります。次のコマンドを各ノードごとに順番に実行します。なお、インストール時に必要なファイルのコピーは完了していますので、scpコマンドなどによる手動コピーは不要です。
[root db_1]# pwd
/u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1
[root db_1]# ./root.sh
Running Oracle10 root.sh script...
The following environment variables are set as:
ORACLE_OWNER= oracle
ORACLE_HOME= /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1
Enter the full pathname of the local bin directory: [/usr/local/bin]:
Copying dbhome to /usr/local/bin ...
Copying oraenv to /usr/local/bin ...
Copying coraenv to /usr/local/bin ...
Creating /etc/oratab file...
Entries will be added to the /etc/oratab file as needed by
Database Configuration Assistant when a database is created
Finished running generic part of root.sh script.
Now product-specific root actions will be performed.
この後処理で/etc/oratabファイルが作成されます。このファイルにはインスタンスを自動起動にするかどうかの記述があります。設定方法は「起動時自動実行の設定」の項で説明します。