--(2014/12/09 0:31追記)--
公開当時の原文と日本語訳の違いについて記述したエントリでしたが、現在は日本/訳も追い付いていますし、図解やQAなどで実は原文よりも分かりやすいです。
マイクロソフトがVisual Studio Community 2013に込めた思いを考えると、1人でも多くの人がこれを機会にVisual Studioの世界を体験してくれると良いなぁと思います。
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日本語:
http://www.microsoft.com/ja-jp/dev/products/community.aspx
英語:
http://www.visualstudio.com/products/visual-studio-community-vs
この日本語ページのVisual Studio Community製品比較で、Visual Studio Communityが合致するユーザとして以下の4つが挙げられています。
- 大学関係者
- 非営利団体従事者
- オープン ソース開発者
- 開発者 5 名以下の中小企業
英語の原文の方を見てみるとこの記述は「Q: How does Visual Studio Community 2013 compare to other Visual Studio editions?」の回答から持ってきているようです。
これだけみると開発者6名上の企業にはなんとメリットもないように思えます。
しかし「開発者5名以下の中小企業」というのは原文では「利用者が5名以下の企業」となっており厳密には中小企業という限定ではありません。
さらに、先ほどのQの直前にある次の文章については日本語訳ではとりあげらえていませんが、重大なことが記載されています。
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Here’s how individual developers can use Visual Studio Community:
- Any individual developer can use Visual Studio Community to create their own free or paid apps.
Here’s how Visual Studio Community can be used in organizations:
- An unlimited number of users within an organization can use Visual Studio Community for the following scenarios: in a classroom learning environment, for academic research, or for contributing to open source projects.
- For all other usage scenarios: In non-enterprise organizations, up to 5 users can use Visual Studio Community. In enterprise organizations (meaning those with >250 PCs or > $1MM in annual revenue), no use is permitted beyond the open source, academic research, and classroom learning environment scenarios described above.
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たしかに1つ目はindividual developerつまり個人開発者などが無償アプリも有償アプリも作れるという内容ですが、2つ目は「An unlimited number of users within an organization 」となっており人数に関係なく次の用途では使用できるとあります。
- classroom learning environment
- for academic research
- or for contributing to open source projects
つまり
- 企業内での教室を使った教育
- 学術研究
- OSS開発
にはつかえるということです。
3番目によればエンタープライズ企業(保有PCが250台より多い、または、年間収益が1MM(=$1,000,000)より多い)は上記3つに限定するとあります。これだけ読むと一見同じことをもう一度言っているようですが、「開発者5名以下の中小企業」という日本語訳が「利用者が5名以下の非エンタプライズ企業」と理解すると、ここでエンタープライズ企業とはの定義がかかれていることがわかります。
このように日本語訳はマイクロソフト本社の思いを伝え損ねていますので、早急な改善が必要です。
--(追記)--
要約すると次の通り。
- 企業以外の個人開発者であれば、用途を限らず(有償アプリも可)利用できます。
- 保有PCが250台以下、または、年間収益が$1,000,000以下の企業であれば、用途を限らず5名まで利用できます。
- それ以上の規模の企業においては、(使用人数が5名以下でも)教室での教育、学術研究、OSS開発の用途以外にはお使いいただけません。