SERAC(Oracle Database 10g R2 Standard EditionのOracle Real Application Clusters)を使うためのはASM(Auto Storage Management)の利用が前提となるので、RACデータベースの作成を行う前にまずはASMの導入を行います。
ASMインスタンスの作成
ASMの導入をおこなうためには、ASMインスタンスの作成が必要です。ASMインスタンスの作成はDatabase Configuration Assistant(DBCA)で行いので、Oracle Databaseソフトウェアを導入したユーザでログインしたらdbcaと入力してDBCAを起動して下さい。
DBCAが起動したら[Oracle Real Application Clusters database(Oracle Real Application Clustersデータベース)]オプションを選択します。
次に[Configure Automatic Storage Management(自動ストレージ管理の構成]オプションを選択します。
ノード選択画面ではすべてのノードを選択状態にします。
ASMインスタンスを作成してスタートする旨のダイアログが出現したら[OK]ボタンをクリックし、次にリスナーがないので作成する旨のダイアログが出現したら[YES]ボタンをクリックします。
ASMディスクグループの作成
ASMはディスクグループという単位で複数のディスクをひとまとめにして管理します。そして同じディスクグループのディスク間でRAID0+1相当の耐障害性を実現します。
ASMインスタンスを作成するときであればASMディスクグループはなにもないのでASMグループを選択する画面では[新規作成]ボタンをクリックしてASMグループの作成を行います。
今回の例では/dev/raw/raw3が共有RAWデバイスとしていますのでディスクグループは1つだけ作成します(名前も適当にRACとかでよいでしょう)。また、この共有RAWデバイス自体にハードウェアRAID(0+1)が組み込まれているため、ASMでのRAID0+1相当のRedundancy(冗長性)は不要ですからExternal(外部)オプションを指定して/dev/raw/raw3をチェックしてから[OK]ボタンをクリックすれば指定完了です。
なお、ASMインスタンスのパラメタファイルも初期化パラメタファイル(IFILE)方式とサーバーパラメタファイル(SPFILE)方式があります。サーバーパラメタファイルとした場合にはASM上には置けず共有RAWデバイスに置かなければなりません。今回の例では、空き共有RAWデバイスがないので初期化パラメタファイル方式として各ノードに個別に配置する方法を採用しました。