仕事をしていて、同僚がなんなくこなせることが自分にはこなせないで落ち込むことがある。そうするとマイナス思考に入っていき、どうせ自分は頭が悪いからなと思って余計に作業も進まなくなっていったりする。その際には、マイナス思考的なことを考えるより少しでも作業を進めるべきだという心の声とのせめぎ合いです。
自分には何が足りないんだろうと、論理的思考やコミュニュケーション能力とかよく聞く言葉を思いついて、過去その手の本を読んだりもしたけど、結局何一つ変わっていないわけです。
最近、仕事をしていて思ったのが詳細機能は思いつくが、それをまとめて何と表現すればいいのかというのが思いつきにくいってことです。このようなことを何って言うんだったかなって思い出したのが「抽象」というキーワードでした。
抽象という言葉自体は、一般的によく聞くのは「その話は抽象的すぎてよく分からないよ、もっと具体的に話せ」というネガティブ意味で使われたりする。この場合の抽象は実は「曖昧」の意味だったりするんだよね。
本来の抽象化とは、例えば、「りんご、みかん、いちごがあります。これを一言でいうとなんというでしょう?」という話。答えは、「フルーツ」というように「複数のことをまとめて一般化していく」ことだったりします。これはオブジェクト指向では「汎化」と呼んでましたね。
自分はこの抽象化することが苦手なんだと思い、Google先生に検索すると「抽象化思考」や「抽象化能力」というキーワードが出てきまして、そのキーワードによるブログなど記事を読んで、まさに自分が欲している能力はこれを指していると思ったしだいです。
とあるブログには、「CS放送(BBT757)で「失敗学」というシリーズの話の中で、殆どの失敗は過去の類型にパターン化されるとか。だから、類型を知っておくと、失敗の予防となります。ところが、過去の失敗事例を見て、パターン化できる人は、2/3ほどの人だとか。それぐらい具体的な事象を抽象化することを苦手にしている人は多いことになります。さらに、そのうち半数は、せっかく類型を知っていても、それを具体的な事象に当てはめることができないそうです。つまり70%ぐらいの人は、具体的なことを言ってもらえないと理解できないということになります。」とあり、抽象化するのを苦手な人が多いようですね。
コンサルティングをなさっている方(「地頭力のカギ。抽象化思考と具象化思考の使い分け」)は、まさしく抽象化する能力が高いからこそ商売となっているわけです。地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」って本が以前ベストセラーになったのは、ビジネスマンには必要な能力であるからでしょう。
「抽象化」のキーワードで検索した記事に、「説明が下手な人はもっと抽象化パワーを身につけるべきだと思う」とあって、自分も説明が苦手だったりします。
最近、お笑い芸人を見ていても、あからさまに説明が苦手な人がおりますね。コンビでいうとアンジャッシュがいい例で、渡部さんの方は司会業など無難にこなせておりますが、児島さんはかなり苦手のようです、まー芸風ならいいんですが・・・。
最後に、この下記の記事を読んだ時には、ぞっとしたけど、オブジェクト指向の本質を理解できないで、関数の代わりとしてか利用出来ていない方が設計するときっとこうなるんだろうなと思います。
第47回:要求エンジニア
http://www.bcm.co.jp/site/youkyu/youkyu47.html
「最近耳にした話だが、ある外資系のベンダでこんなことがあったそうだ。とある金融系のシステムを、全面的にオブジェクト指向を用いて日本で開発することになった。ところが、設計したクラスの数は全部で3000にもなった。通常であれば300程度のクラスの個数で済むはずだったのに、である。この案件以降、この外資系企業では日本ではシステムをオブジェクト指向で設計することを止め、インドで設計するようになったということだ。抽象化思考ができない現場のエンジニアの将来はどうなるかを、予見させるような厳しい事例ではある。」
若い人には、「抽象化思考」や「抽象化能力」といったことに早めに気が付いて、その能力を多くの人に身に着けてもらって日本を引っ張ってもらいたいですね。