質問者と回答者のマナーについてで
掲示板でのマナーについてまとめていますが、こちらではその意味を考えてみたいと思います。
人の集まるところ、マナーは自然と生まれます。「情けは人の為ならず」とも言いますが、
マナーを守ることは自分自身の利益となります。
マナーを守らないと、結局のところ自分の望む結果を得られないことが多い。
掲示板の利用マナーというのは、自分を含めた掲示板を扱う人全員が利益を最大にするためにあるわけです。
情報の共有の場と捉えるか、否か
まず、掲示板を何のためのシステムと捉えるか
でマナーが自然と変わってきます。
これは掲示板オーナーが方針を決めるものでしょうが、技術系の掲示板では
「掲示板は情報共有の場」という考えが広く浸透しているように思います。
技術系の掲示板をあまり使ったことのない方の発言などから
「質問に対して誰かがボランティアで答えてくれる斡旋所」のように捉えていることが伺えます。
このように捉えた場合、「情報共有の場」としての利用とはマナーが異なり、
その意識の違いがマナー云々のやり取りを繰り返し発生させる一因となっていると思われますね。
解答者斡旋所と捉えると、質問者個人が問題解決できればそれでよいことになります。
よく引き合いに出されるマルチポストの例を考えてみると、情報の分散といったデメリットは
考慮しなくてよくなるため、問題とはならない。
斡旋所として問題となるのは、マルチポストによって他の場所で解決したにもかかわらず、
その報告がなされなかったために、回答者が無駄な労力を費やしてしまったケースなどでしょう。
そうなるとマルチポストそのものを避けようとまでする必要はなく、
「解決の報告を怠らないこと」をマナーとすることで十分という考えが合理的です。
しかし、「情報共有の場」とした場合、マルチポストは情報の集積の妨げになる上、
共有の場を個人の問題解決という利己のために私するように見えることから、
激しく非難されることとなります。
そのような利用者がいるとコミュニティが崩壊するという危機感から排除しようとするわけです。
これは排除する理由に相応の合理性がある。
いかんせん「情報共有の場」という考え方を理解してもらうには相応の苦労があります。
新規参入者にその概念をいちいち教えるのもまた結構な労力です。
マルチポストなどは「結果的に答えを得られないよ」という利害に根ざした説明で
とりあえずの納得をさせてやめさせる方法が楽ではありますが、
「情報共有」という概念を解さない限り、マルチポスト以外の形でコミュニティに
害のある行動を行いかねない。
「斡旋所」と捉えているなら少なくとも無償で答えを貰えたことに礼を言うことは
自然なマナーとして受け入れられることでしょう。
しかし、コミュニティを「答えを略奪するための狩場」と捉えていると最悪で、
答えが得られれば礼なんぞ言う必要もないと考えても不思議はありませんし、
答えを得るために形だけでもへつらって機嫌を取っておけ、という思想にもなりうる。
そのコミュニティの利用者の大半は、心地よくてそのコミュニティにいるでしょうから、
コミュニティが崩壊しないように努力することでしょう。
その際にマナーといったものが生まれ来るのでしょうが、
どのような思想でコミュニティを捉えているユーザがいるのか。
そのあたりを考えると、具体的な対処が見えてくるかもしれません。
投稿日時 : 2008年2月6日 16:52