Mr.Tです、こんにちは。
私は既婚者です。ええ、嫁さんがいます。
嫁さんは、医者が嫌いだ。
なんでも、若かりしころ、「心臓のあたりがいたい」といって医者にいったら、
医者:「あ~はっはっはっはっは、思春期のころはね、そういうのあるの。なんでもないの」
とあっさりいわれ、自分の訴えが「バカバカしいなぁ」みたいに言われたことに、腹をたてたそうです。
そんな嫁は結構、身体が弱い。
風邪を引くと、オレの携帯に電話をかけてくる。
オレ:「はい、もしもし」
嫁:「アンタ~ぁ」
オレ:「はいはい、うん」
嫁:「今日、残業せんと...帰ってこれる?」
なんや、どないしたん。
嫁:「 風邪引いて、スッゴイしんどいねん...」
つらそうな声である。
オレ:「わかった、スグ帰るわ」
嫁:「ごめんなぁ...」
たいていの日は、2時間ほど残業するが、そんなしょんぼりといわれると、
こちらも仕事うんぬんを口にするわけにもいかない。
さっそく、上司に一日の報告メールを叩き込んで、家に帰る。
車で、25分。家に着いて、リビングのドアを開けようとすると、
嫁の声:「まもなく~♪あお~むしは~♪」(by はらぺこ青虫)
歌っ...てる? なんつーか...ソプラノの声が、子供の声に混じって聞こえてきている。
合唱曲っぽく聞こえるのは、ファルセットっぽく歌うせいなんだろうな。
まあ、音程はわるくねぇ。ってそんなこと思ってる時じゃねぇ。
がば、とドアを開けて中にはいると、子供をひざに乗せた嫁がいた。
オレ:「おう」
大丈夫かいよ。
嫁:「あ、お帰り~」
子供's:「あおむし、うたって~もっと~」
こどもよ、そりゃおかーちゃんに気の毒や。風邪ひいとるのに、歌なんか歌えるかい。
嫁:「ハイハイ、まってな~」
なぬ...はいはい、ってアンタ? しんどいちゃうの?
そう嫁に聞くと、
嫁:「しんどいで?」
さらりと返事を返してくる。
オレ:「電話で、すっごいしんどそうにしてたやん」
嫁:「ほやから、しんどいで。まだ、夕飯もつくってないし、子供の相手もせなアカンし。アタマは痛いし」
オレ:「歌...うたってるやんか」
嫁:「子供に歌って、云われたらしゃあないやん」
オレ:「...しゃあ、ないて...」
家に帰ったら、嫁さんが布団で寝ていて、俺が帰ってくるとゲホゲホいいながら、
空想嫁:「ごめんなぁ、仕事、あったんやろ...いつも、迷惑かけてごめんなぁ...」
期待してはいけなかったらしい。幻想、いや妄想だよ、それは。
それは云わない約束だろ、と云う機会はない。
ポカーンとしているオレに、
嫁:「アンタ、ごめんやけど、夕飯つくって。今日は、豚肉あるから」
嫁は豚肉好きだ。オレは魚好きだ。ああ、ナンデ?
オレ:「...あい」
嫁:「あ、風呂も、あらってないんや」
オレ:「......あい」
子供’s:「あおむし、うたって~」
嫁:「はいはい、まってな~。...ちょうちょ~♪ あおむしが♪きれいなちょうちょになりました~♪」
毎回、毎回、毎回、毎回、毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回、いっつも、こんなんですが、
嫁はやっぱり身体が弱いので、心配のタネはつきません。