meltさんのところで
僕らは技術力よりも第一印象で能力を判断されている/Tech総研が取り上げられていたけども、
Tech総研の記事は「人は見た目が9割」という話ではないように思います。
確かに足切りのタイミングは早い
「その1 人はどのタイミングで能力を判断しているのか?」では
| エンジニアの解答 | 非エンジニアの解答 |
会って数分話をして | 28% | 29% |
1回のミーティングで | 18% | 13% |
数回のミーティングとやり取りで | 24% | 20% |
という数字が出されています。
エンジニアは「会って数分話をして」「1回のミーティングで」で併せて46%となりますね。
半数近くがこの程度の少ないやりとりで能力を判断していると答えているわけです。
これでは、じっくり時間をかけて相手の腕を吟味しているとは言えません。
その短いやり取りで何をチェックしているのでしょうか。
「その2 初対面では相手のどこをチェックしている?」
を見ると、エンジニア/非エンジニアで大きく数値が違う箇所がひとつあります。
「話の内容」でエンジニアは30%、非エンジニアは15%と答えています。
我々エンジニアが相手を見る際は、話の内容で相手の技術の程度を測ろうとしているのです。
これは、対面での会話でもBBSやメールでの遣り取りでも、blogを読む時もそう。
エンジニアなんてのは技術があってなんぼの世界ですから、自然、技術力によるヒエラルキーができてしまいます。
もちろん、技術にはいろいろな指向性がありますから、専門を外れれば素人同然。
ですから方向は違えど深みがある人は敬われるわけですね。
そんな我々エンジニアですが、会って数分話をすれば論理的な思考ができているか/いないかに
当りをつけることができるわけです。
エンジニアは話の端々に高度に専門的な、技術に対する見解を含めているから、
それらを解している/いない、なんらかの見識を持っている/いないが数度の会話の往復で測れてしまう。
だから、「技術力よりも第一印象」なのではなく、「第一印象の技術力」
で相手を判断していると言えましょう。
第一印象というのは写真のことではない
このように、技術屋の第一印象というのはビジュアル面ではありません。
不精な感じとか、服装のダサさとかは技術力の測定にはまず影響しない。
(人としてどうかと思うぐらいになると技術者云々以前に人として付き合いたくないでしょうけども)
技術者を書類審査でふるいにかけるなら写真は不要です。
写真で技術力なんてこれっぽっちもわかりはしない。
先に挙げたように、技術者は相手と面した時に、話の内容を重視する傾向が強いわけです。
デバッグ時に関数の挙動を確認するかのように、知識があれば帰ってくるだろう反応、
ロジカルシンキングが出来ていれば帰ってくるだろう反応、
見識があれば帰ってくるだろう反応を確かめていきます。
そういう探りを入れていくことで、「会って数分話をして」人をかなり判断できてしまう。
論理が破たんしている人間をふるい落とすのは容易いし、精度だってそれほど悪くはない。
我々は思っているよりも第一印象で能力を測定できているわけです。
中身を見ずに判断しているわけじゃない。そこはもっと自信を持っていいのではないでしょうか。
投稿日時 : 2008年5月23日 16:16