ネタ元→やっちまったよー
などちらほら他の所でも話題になっている、ポアンカレの予想の番組が明日ありますよ。
NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~」
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2007-10-22&ch=21&eid=9485
http://www.nhk.or.jp/special/onair/071022.html
http://www.nhk.or.jp/special/windowsmedia/player071022_01.html
NHK総合:2007年10月22日(月)午後10:00~午後11:00(60分)
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2007-10-24&ch=21&eid=10997
もう再放送:2007年10月24日(水深夜、25日木)深夜午前0:20~深夜午前1:20(60分)
ポアンカレ予想(Poincare conjecture)は
「単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相である」
という命題です。(1904年)
- 単連結
- 図形の中の任意の輪っか(1次元球面)がその図形の中で1点に巻き取って回収できること。
- 閉
- 境界がないこと。(例えば球体は境界として球面をもちますが、球面には境界がありません)
- 多様体
- 曲線、曲面の一般化の図形、ただし局所的にユークリッド空間に似てい(下記の同相で)なければならない。(アルファベットのlやOの字形は1次元多様体ですが、TやY,X,8,∞の字は多様体ではありません。Oや8は単連結でない、lやXは単連結です。)
- 同相
- ある意味で似ていること。両連続の1:1対応がつくこと。
混乱しない場合には「同じ」「同値」とも言う。(1次元の例:(文字の字形)△と▽と○と□はそれぞれ同相、EとTとYはそれぞれ同相、lと-とSとVとWとZはそれぞれ同相)
(プログラミングで言えば弱めのEqualsですよ~)
2次元で考えると向き付け可能(裏表がある)閉多様体は同相なものを1つ図形としてまとめて考えることにすると、球面と浮き輪(ドーナッツの表面)、n人乗りの浮き袋(n個の穴あきビスケットの表面)しかありません(であることが比較的簡単に(?)わかる)。
このうちで単連結なものは球面だけなので、
ポアンカレ予想の「2次元版」は誰でもすぐなんとなく納得がいくと思います。
次元を一般化した、「n(>=3)次元版:単連結なn次元閉多様体はn次元球面に同相である」は、
面白いことにまず、n>=5が数学者スメールによって(1960)、n=4(4次元版)は数学者フリードマンによって(1981)に、真であることがオリジナルの3次元版より先に証明されました。
オリジナル3次元版はロシアの数学者グリゴリー・ペレルマン(今回の主役)によって
ごく最近(2003年)やっと証明されたそうです。 なんと「低次元」の方が難しかったのです!
参考リンク:wikipedia
スメール
http://en.wikipedia.org/wiki/Stephen_Smale
フリードマン
http://en.wikipedia.org/wiki/Michael_Freedman
フリードマンさんは現在米国Microsoftの研究所機関所属のようですね。
パパキリアコプーロス
http://en.wikipedia.org/wiki/Christos_Papakyriakopoulos
ハーケン
http://en.wikipedia.org/wiki/Wolfgang_Haken
サーストン
http://en.wikipedia.org/wiki/William_Thurston
幾何化予想(Geometrization conjecture)
http://en.wikipedia.org/wiki/Thurston%27s_geometrization_conjecture
ペレルマン
http://en.wikipedia.org/wiki/Grigori_Perelman
リッチフロー(Ricci flow)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ricci_flow
書籍(読み物):
ポアンカレ予想を解いた数学者
も面白いですよ。
ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者
という本も出版されたようです。(2007/12/24追記)
一般向け専門書:
臨時別冊・数理科学2007年7月「3次元トポロジーの新展開」~ リッチフローとポアンカレ予想 ~
も出ています。
”インターネットに発表”されたペレルマンの一連の論文
Perelman, Grigori (2002). "The entropy formula for the Ricci flow and its geometric applications". arXiv:math.DG/0211159.
Perelman, Grigori (2003). "Finite extinction time for the solutions to the Ricci flow on certain three-manifolds". arXiv:math.DG/0307245.
Perelman, Grigori (2003). "Ricci flow with surgery on three-manifolds". arXiv:math.DG/0303109.
12/24追記:
簡単にいうとポアンカレ予想とは、3次元図形の中で、最も単純な3次元球面と呼ばれる図形(のグループ)がありまして、3次元図形の3つのプロパティが3次元球面の同じプロパティとそれぞれ同じなら、それは3次元球面といえるということです。
ある意味、中学数学の「3角形の合同条件」というのと似た定理です。
2つの対象のいくつかの性質が同じなら全体でも同じ、つまり他の(無限にある)性質も同じという定理のひとつです。