もうじきパッケージ版もリリースされるWindows 8は、ご存じのとおりスレートPC(タブレット)でも利用できるようにチューンされています。これは、マウス使いの方にも非常に恩恵があります。Windows 8のエクスプローラーは「リボン+左クリックだけ」or「キーボードだけ」で操作可能です。片手にペンを持っていたり、指がホームポジションにあったりするなどの時、有難味を感じられると思います。
今まではShift+マウスとか中途半端な操作方法が、スレート(タブレット)PCや携帯電話にも提供されるWindows 8では事実上不可能になります。そのため、ある意味今までのUXを一から見直したであろう大きな変更は、慣れや教育の問題ははらむとしても、使ってみればすぐに元に戻れなくなるほどよくできていると思います。
■個人的に大好きなUXの変更を2つ。どちらも、今まではマウス+キーボードが必要でした。
- コマンドプロンプト/PowerShellの起動
- パスのコピー
1.コマンドプロンプト/PowerShellの起動が楽
シェルとして、コマンドプロンプトだけではなくPowerShellもカレントディレクトリで管理者として実行可能
以前も、Shift+右クリックで「コマンドウィンドウをここで開く」でシェルを実行できました。しかし、これだと管理者として実行したいためUACで昇格させる時にいちいちタスクバーへ移動する必要があり、すごく面倒でした。そして、タスクバー上で都合右クリック三回押して「管理者として実行」するかタスクバーのアイコンをCtrl+Shift+左クリックする必要があり正直うざかった。また、エクスプローラー上のカレントディレクトリでシェルを起動する手順が結構めんどくさくて、一度親ディレクトリへ移動するか、アドレスバーからコピペするなど、キーボードとマウスによる複雑な手順を行う必要がありました。今ではマウスかキーボードのどちらかだけで可能^^
エクスプローラーのカレントディレクトリでシェルを起動したい場合、フォルダーが選択されていない状態で、「ファイル」のリボンを選ぶとシェルがカレントフォルダで起動できます(下図)。当然キーボードでも可能です「ALT+F⇒好きなシェル」(ALT+Fで「ファイル」が表示されるあたり、互換性の高さを感じることができます)。また、フォルダを選んで同様の操作をすれば、そのフォルダでシェルを開くこともできます。ちなみに、ファイルを管理者として実行をしたい場合、「管理」のリボンタブから可能です。
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※管理者としてのPowerShellでカレントフォルダが開かれる(Zipファイルを解凍した時など、すごく便利^^)
2.パスのコピー
管理者として実行していない場合、シェルにパスをコピペしたい場合は、単にドラッグアンドドロップだけでOKでした。管理者として実行している場合はドラッグアンドドロップができないため「Shift+右クリック」でパスとしてコピーした後にシェル上にペーストしていました。これが思いのほか面倒で誤った操作を防ぐのに役立っていましたがイライラのつのる手順でした。
Windows 8では、誤った操作を防ぐと同時に「マウスだけorキーボードだけ」の操作が可能になっています。具体的には、パスのとしてコピーが「パスのコピー」と名称変更してリボンの項目としてあります。(Shift+右クリックの代わりにShift+プロパティーキーで可能。サーバーのキーボードにはプロパティーキーがないことも……。Windows 8世代では、ALT+H⇒C⇒Pで可能だったりします。これは、VDIで変わったデバイスからの接続とかサーバー管理とか、とにかく基本的なキーしか怖くて押せないような環境の時すごく助かります)

※いちいちキーボードを押さなくてよいので思いのほか生産性が上がってイライラ度がさがります。
元ネタ:知らなかった(^^;) ファイルパスのコピー機能 - 高添はここにいます - Site Home - TechNet Blogs
このように、かなり細部に亘ったチューニングを実感できます。生産性の向上だけではなくストレスを下げる効果もあり、コンシュマー向けとして注目されているWindows 8は、業務効率の向上もかなり見込めるのではと感じています。