Vistaになっても直らなかったWindowsの杜撰な日本語訳 - 高木浩光@自宅の日記
ここで、「この種類のファイルであれば常に警告する」と書かれたチェックボックスがあることに注意したい。このチェックを外したことのある人はいるだろうか?
「このチェックボックスを外してしまうと、この警告の機能がオフになってしまう。設定の戻し方もわからないし、そんな危ないことしちゃだめだ」と考えて、ここを触らないように気をつけてきた人も少なくないのではないだろうか。
私は以前、何かの拍子にこのチェックボックスを外して、実は意味が違うという事を知ってはいるが、それでも未だにこのチェックボックスを外すのを躊躇する。この日本語訳は愚中の愚だな。意味が違いすぎる。
マイクロソフト製品を使う頻度が高いので、マイクロソフト製品は特に目立つが、米製品の日本語訳の不正確さ(というか理解し難さ?)はほとほと呆れる。
私は、Windows Vista Ultimate をインストールしているマシンは言語パックを入れて英語表記にし(英語版をインストールする根性はない)、Visual Studio も英語版だ。英語版の方が日本語版より理解しやすいというのは何とも滑稽な話だ。言っとくが私は英語が苦手だ。
きっと、ただの直訳ではプロの仕事としては許されないのだろうけど、訳しちゃいけない箇所を訳しているし、変に意訳して意味が全く違ったりしている。そうするぐらいなら、素直に直訳して欲しいな、と思う。読みにくいかもしれないけど、きっと正しさは損なわれないだろう。
だいたい、マイクロソフト社の日本人たちもこれを見ておかしいと思わないのだろうか? 10年前にRedmondのMicrosoftを訪問した際には、日本語化作業チームのひとりの方にお会いする機会があったが、日本人ではない人だった。今はどうやって日本語のチェックをしているのか知らない。ユーザからの意見を取り入れるようにすればいいものが作れると思うのだが、そういうことはしないのだろうか。その点、Firefoxの日本語化は、ユーザコミュニティ主導で行われているため、翻訳の質は高い。
βでは、変な訳をフィードバックすれば反映される事もあるらしいが、一旦リリースしてしまったら、どうなるんだろうか? マニュアルの修正が必要になったり、インターネットには「変な訳を前提としたリソース」が蔓延しているから、易々と修正したら食い違うだろうな。
個人的には、「日本語訳は変だから英語をもっと勉強しよう」って気なるから、まぁいっかと諦念。