Webデザイナーの話がはてなで取り上げられていたので、Webシステムの裏方を引き受ける業界からの忠告。
漫画に出す車の絵のデザインを考えるのと工業製品としての車のデザインはまるで違う。
違いは何かといえば、それは工業製品たらしめる 機能性をそのデザインにどう盛り込むかという視点の有無ですね。
工業製品であるからには当然ながら機能しなくてはならない。車なら走らなければならない。その上、いざ事故となったときの安全性や、居住空間の快適さ、荷物を載せる場合の利便性など、いろんなシチュエーションを想定して、工夫を盛り込まなくてはならない。
一方、それが漫画やアニメ、ゲームなどに登場する架空の車であれば、そんなことは一切お構いなし。どこにそんな機能の格納スペースがあるのかという突っ込みをするほうが無粋というモノ。
Webデザイナーに求められるのは飾りとしてのHTMLではない
静的なWebページならいざ知らず、動的なWebページというのは、工業的な機能性を盛り込む必要があるわけです。ですから、単に静的なHTMLとしての見栄えのよさだけを追及されても困る。そのHTMLの構造にどうやって動的な機構を組み込むのかを考えなくてはならない。
少なくとも、動的サイトのデザインをやれるようになりたいWebデザイナは、 HTMLのformタグが果たす役割を、inputタグが果たす役割を理解し、うまくデザインの中に機能性を盛り込める必要があります。
ましてや、AJAXによる動的なページをデザインしたいのであれば、 HTMLのタグの階層構造にまで思いをめぐらさなければならない。どんなDOM木なら機能を盛り込めるのかを、自分で考える必要は無くともプログラマの立案を理解し、その制約の中でデザイン出来る技能が必要とされるわけです。
工業的な機能性さえ無視していいならデザインできるんだけど、なんてWebデザイナは Webシステムの開発現場では仕事は出来ません。静的なWebページのデザインと、動的なWebページのデザインには大きな技術的な壁があるのです。
自分のWebページぐらいなら作ったことあるから、なんて素人には出来ない能力が求められるのです。
投稿日時 : 2007年12月18日 14:59