日立用語 (用語というよりは、良く使われるだけですが) と日立ルールを知っている限り並べてみた。
日立用語
- 毎々お世話になります
- 毎々お世話になっております
- 「~を頂きたく」「~致したく」「~をお願いしたく」「~を使用したく」で文章が終わる。
- 首記の件、~ について ~ たく
- 拝承 (「了解した旨」を伝える場合は「拝承」と書くだけで良い)。
- 拝復 (「返事ありがとよ」という意味)。
- 拝受 (「おk、添付ファイルは頂いたぞこのやろう」という意味)。
- 多謝 (「せんきゅー」程度の意)。
- 冶具 (なんでもかんでも「ぢぐ」にしてしまう)
- 為念 (念の為に何かをお願いする時 (責任逃れのため) に使うが、年配しか使っていないかも)。
- 手配
- 手配仕様書(笑)
- ステップ数(笑)
- ステップ単価(笑)
- UOC(笑) (User Own Coding)
- EUR Professional(笑)
- P票(笑) (PCL票)
- B票(笑) (簡易バグ票)
- F票(今はないかも)
- 調整乞う
- 検討願う
- 以上、ご査収の程お願いしたく。
- -以上-
これだけではわかりにくいので、メールを使って例を書いておきます。
日立用語によるメールの返信 (例)
(佐藤)
> (スズ)B
>
> 毎々お世話になっております。K3Gの佐藤です。
> 首記の件、□□□□についての手配仕様書を頂きたく。
>
> -以上-
拝承。
日立ルール (全社共通ではなく事業所ごとにローカル ルールがあるので注意)
- 名前を "丸" か "括弧" で括ると敬称となる「例 : (鈴木)」(本来は丸で括るのが正しいが、メールでは丸で囲めないので括弧で代用している)。
- 課長職より上の人間は、名字 2 文字のカタカナで良い「例:鈴木部長 → (スズ)」(課長クラスでもこのルールが適用される事業所も存在する)。
- 課長職程度の人間は、名字 2 文字のカタカナ + 名前 1 文字のカタカナとなる「例:鈴木太郎 → (スズタ)」課長職より上の人間で姓名が重複した場合、このルールで代用されることもある。
- 社長クラスや事業部長クラスの大物は、名字 1 文字のカタカナだけで良い「例 : (ス)」
- "丸" か "括弧" の後には、役職を示す文字をつけたり「例 : (スズ)B」あるいは、所属を示す文字をつける「例: (スズ)s1g」(最近は役職をつける事業所が多い気がする)。
- 中で常駐する場合は上記の名称ルールを守ることを強制される。むしろ「●● 様」などと丁寧に書くと逆に「漢字で書くと時間の無駄だ」とか「もともと時短のために用意されたルールだから守って欲しい」と怒られる。稀に「相手に対して失礼だ!!」とさえ言われるのでご留意頂きたく。
- たとえば、事業部長を相手に漢字のフル名字で書くと『お前を事業部長とは認めねーぞ!!』という他意が生まれて大変失礼という意味である。もちろん事業部長もケンカを売られていると解釈するので注意されたい。
- 設計書の変更部分は "△ + Revision を表す数値" とする (他社でもこのルールだと勘違いしている所員がいる)。
- 書類が何でもかんでも仕様書になっている。しかも図面のときやがる (たとえば、モノを調達するのに必要な書類の名称が「手配仕様書」で図面の設計書がベースになっている)。
- 職制上の役職に当たる内部役職名が部署によって変わる。単に部長、課長、部長補佐、課長代理のところもあれば、主管技師、技師長、主管技師長、主任技師、など相当する内部役職名の呼び名が部署によって異なる。たとえば、設計部門の課長は主任技師である。
- 「HOTS (ホッツ)」という略称は非常に合理的なので誰もが認めている。なんせ元の正式名称が長すぎる。
- かつて「SAS (サス)」は「システム アンド サービス」以外の意味を持ってはならなかった (現在は合併して SAS という名称は消えたので、本来の一般的な略語としての意味で使っても良い)。
- HITACHI 自体を略して名称に取り込む時は 'Hi' にする (例: HiRDB、HiSOL)
- 子会社は基本的に英字 2 文字を後ろに付与して表すことが多い (AE、IE、PT...)。ただし上記にあるとおり HiSOL (SAS) や日情 (にちじょう) など特殊な例もある。なおこれらの社名は合併のせいで残っていないが、メンテナンスするのが面倒なので仕様ということにさせて頂きたく。
日立ではよくあること
- 人気の上長 (仕事の多い上長) のデスクの上には、ことづけメモが「優先順位の争い」をしている。例:お願い < 至急 < 大至急 < 超特急 < ※最優先!! (文字を強調したり※印やら強調噴出しを付ける) < ※ (ス) からの依頼!! 最優先で!! ※ (果てには「えらい人の威」を借る)。
- 事業所の多くは役所のように様々な場面で面倒な書類が必要なことが多い。その書類にはいくつか関係部署責任者 (他部署の上長) の印鑑が必要であるが、この上長は自席を留守にしていることが多い。っていうか、年中留守にしているような上長もいる。『そんな上長から印を貰うってどんな無理ゲー? そんなお使いクエスト受けてられないよ』と思うことだろう。だが心配しないで欲しい。上長印は「机の引き出しの決まった場所」にあるので、所属部署の人間に代わりに押印させることができる。部署によっては「何度も足を運んで『気の毒だ』と思わせるクエスト」に変更となることもあるが、これは初回限定クエストだと思って乗り切ろう。次回からは『ああ、またお前か』という感じで顔パスが利くようになる。
- 事業所によっては部署の配置が合理的ではないため、書類の印鑑を関係部署にもらうのがしんどい。たとえば、某工場では資材部と設計部が建物のほぼ正反対の位置にあったり、または別棟にあったりする。距離にして 1Km くらい離れている。繁忙期だと 1 日中走り回ってヘトヘトになることがある。お使いゲーというより『あれ? これなんてスタンプ ラリー?』と思うこともしばしば。ただし事業所内を走ると怒られる。え? 矛盾していないかって?
- なお、電子書類の場合は上長の電子印を勝手に使用しても問題ない。上長の電子印のパスはグループ内の全員が知っている。
- 定退日に残業申請を忘れた時は、組合や監査の見回りを別の場所でやりすごす達人がいる。
- 人気の部署 (特に資材部) の人間がいつも誰かに捕まっており、自分のお願いを伝えられない。のに、実は無駄な世間話をしているだけのことがある。仕事して頂きたく。
- イントラネット (グループウェア) に匿名で誰かの悪口やら文句が書きこまれる (が、情シスからするとバレバレ)。また非匿名のページでは発言者はいつも同じ面々。仕事しろ。仕事。
- 偉い人でいつも特定の主任技師を 2 時間近く叱っている人がいる。気が散るのでやめて頂きたく。
- 主任技師が 3 人いたら 2 人は大当たりである。
- 自分を「俺は主任技師じゃなく主任詐技師だから・・・」とか言っちゃう主任技師がいる。2 回目からは絶対にウケないので注意したく。
- 「主任技師」に比べて「技師」は大したことなさそうだけど、実は係長・主任クラスだから舐めんじゃねぇぞ。コラ。
- QA (品証) が保身乙。また QA の力の入れ方にムラがある。良い場合と悪い場合の差が激しい。
- 事業所によっては、入社式でえらい人が入場する時に「この木なんの木日立の樹」が流れるので苦笑する。
- 某工場では客専用ロビーにて「この木なんの木日立の樹」が大音量で流れており洗脳される (家電量販店と同レベル)。
- 冶具の本来の意味を知らない (開発や設計に必要な補助的な器具をすべて冶具と呼ぶ)。
- 冶具は jig の当て字であるので「ぢぐ」と呼ぶのが正しいが、間違えて「ちぐ」と呼んでしまう新入所員がいる。
- 『"ぢぐ" の漢字は「治具」ではなく「冶具」なんだよ』と漢字の間違いを得意気に指摘する人乙。
- 『SAP 超使いにくいんですけどww なんで日立製のにしないの?www』by 中の人
- 『秘文氏ね。なんで日立製のにするんだよww つーか、何だよあのアイコンw だっせぇwww』 by 中の人
- 『秘文のパスワード? いつものやつだってw いつも今日の日付にするって決めたじゃんwww』 by 中の人
- 『貴社のグループウェアは?』「えーっと、うちはサイb... Groupmax を使わせて頂いてます!!」『・・・・・・。』
- いかに別の仕事を持ち込まないように仕事を遅くやりつつ、納期に間に合わせるかを考えるのが「調整」である (これは大企業の多くがそんな感じ)。
- なんだかんだで他の大手会社と同じく、人の使い方がうまい人もそれなりに多い (それだけに人の使い方が下手な人は目立ってしまう)。
下記はおまけです。
おまけ - ショッピングでも日立用語
ご覧頂きたく。
「この程度の日本語もわからないの?」という意見があるようですが、最初に "(用語というよりは、良く使われるだけですが)" と書かせて頂いています。たとえば「拝承」などは普通に辞書にも載っている言葉です。しかし何でもかんでも如何なる場合でも多用しているとなると、その企業固有の慣習と見て良いと思います。