~ プロローグ ~
代々、口伝えで伝えられてきた昔話やおとぎばなしの場合、子供を物語の世界へといざなう呪文がある。
だれもが一度は耳にしたその言葉。
それが「昔々あるところに…」というおまじない。
この物語をご覧になる皆さんが、日頃慣れ親しんでいるプログラムコードの場合には、「昔々」というアドレスも「あるところ」という名前空間も存在しない。
そして、これから始まる物語は.NET Frameworkならぬ『Frameworld』世界のある国の物語。
その世界の扉を開て旅立つ為には、まずは心の中のコンソールを開いてもらって打ち込んでもらいます。
using Frameworld.Story.Wankuma
と…
第一章 旅立ち
第01話 <ある老人の一日>
ある所にわんくま同盟国といわれる大小の国が集まった統一国家がありました。
その東方の辺境のエピテーメという、良いお茶が取れることで有名な国がありました。
この国の首都を流れる川の上流に、立派なヒゲをたくわえた老人が住んでいます。
その老人は、この日も川辺に釣り糸を垂らしながら、この国の特産であるお茶を楽しんでます。
「この深い香りと切れのある味、今年のお茶も絶品じゃ。」
「そしてこのお茶を、この晴れ空の下で清き川を観ながら飲む。」
「さいこーじゃぁ~~~」
仕事もしないで毎日お茶ばかり、なんと気楽な老人でしょうか。
こんな老人を世話する人は、かなり奇特な人に違いありません。
そんな老人の目の前を流れる川の上流から、なにか流れてくるものがあります。
そしてなんと、その流れてくるものはキラキラと光っているのです。
最初は遠く小さかったそれは、こっちに流れて来るにしたがってだんだんと形を大きくしていきます。
それは美しく装飾された籠でした。
そしてその籠の中には、生まれて間もない赤ん坊と黄金色の首飾りが見えています。
しかし、赤ちゃんが入っているのは美しいとはいえただの籠です。
いつ、川の流れの小さな渦に巻き込まれて、赤ちゃんが落ちてしまってもおかしくはありません。
「おや? あれはなんじゃ?」
ようやく老人もその籠の存在に気付いたようです。
「おぉ… これはかわいそうに。赤子が流されてきよる。」
「これはいかん、この先には滝があるで溺れ死ぬわい。」
そうこの川を少し下った所には滝があり、この滝に落ちてしまってはこんな小さな籠などひとたまりもありません。
「しかしのぉ~、わしは泳げんし…」
「なんか高そうな籠じゃが、なんでこんな川を赤子を載せて流れているのか…」
「う~~ん、なんか臭うのぅ。」
なにを言い出しているのでしょう、この老人は。
そして、そんなことを考えているうちに籠は老人の前を通り過ぎていきます。
「おうおう、いってしもうたわい。」
「まぁ、ええか、わしはもめ事は嫌いじゃて。」
「運が良ければ助かるじゃろう、わしじゃなくてもな。」
あぁ…なんて薄情な老人なのでしょう。
そして、この赤ん坊は一体どうなってしまうのでしょうか?
そして物語は迷走する…次回乞う御期待!!!(続くのか?)