統合開発環境 Eclipse には多くのプラグインが公開されているが、PHP で開発するにあたって何を選択すればよいのかよくわからない。
しかし Eclipse の日本語化プラグイン Pleiades のチームが各言語用のプラグインをまとめ、さらには XAMPP などと共にディストリビューションを構築して公開してくださっている。
そこでここでは、Pleiades All in One を元にして PHP の開発環境を整えてみることにする。
- "Pleiades All in One 日本語ディストリビューション" を入手する。2009年9月23日現在の最新版は "Eclipse 3.5.1 (RC) Galileo Windows 32bit ベース / Pleiades All in One 3.5.1.20090911"。いくつかのパッケージがあるが、全部入りの "Ultimate Full All in One" を選べばいいと思う。ちなみに、ファイル名は pleiades-e3.5-ultimate-jre_20090911.zip。
http://mergedoc.sourceforge.jp/
- ダウンロードした zip ファイルを適当なフォルダに展開する。このフォルダ(できあがった eclipse フォルダにあらず)を、以後 "%ECLIPSE_HOME_PARENT%" と表記する。なお Ultimate パッケージの "%ECLIPSE_HOME_PARENT%" 以下のフォルダ構成はこんな感じで、ファイル数は18529、フォルダ数は2367 のはず。
\%ECLIPSE_HOME_PARENT%
+- \.metadata.default
+- \eclipse
+- \jre1.4
+- \jre1.5
+- \jre1.6
+- \mingw
+- \msys
+- \mysql-connector-java
+- \tomcat5.0
+- \tomcat5.5
+- \tomcat6.0
+- \xampp
※ %ECLIPSE_HOME_PARENT% は "c:\user" など、短いパスを指定しなければならない。パスが長い場合、展開できない、展開されるファイル数が少ないなどの問題が発生する。この件についての詳細は上記ダウンロードページの「Windows 上での zip 解凍時の注意」の項を参照のこと。
- XAMPP をセットアップする。Pleiades All in One には最初から XAMPP1.7.1 が用意されており、Eclipse は XAMPP 中の PHP を利用するように設定されている。しかしそのままでは XAMPP 中のパスなどがきちんと設定されていないので、改めてセットアップしなければならない。
- %ECLIPSE_HOME_PARENT%\xampp\setup_xampp.bat を実行する。
- %ECLIPSE_HOME_PARENT%\xampp\xampp-control.exe を実行して XAMPP コントロールパネルを起動し、Apache と MySQL を Start する。
- "http://localhost/" にアクセスして XAMPP のトップページが表示されたら、「日本語」をクリックする。これで日本語版の XAMPP がセットアップされる。
- 左側の "セキュリティ" をクリックする。ステータスが危険な状態になっているはずなので、その下のリンクにアクセスし、MySQL の ROOT パスワードと XAMPP のディレクトリ パスワードを設定する。
- PEAR をセットアップする。PEAR は PHP の拡張ライブラリ群だが、やっぱりパスなどの関係で、セットアップしなければ使い物にならない。なお XAMPP 標準の PEAR セットアップツール(go-pear.bat)にはバグがあることで有名だが、上記の手順 3-1. で Pleiades チームによるパッチが当てられているので、気にせず実行してよい。
- %ECLIPSE_HOME_PARENT%\xampp\php\go-pear.bat を実行する。途中でいろいろ聞かれるが、すべて Enter または "Y" を選択すればよい。
※ 操作終了後、コマンドプロンプトに「生成された REG ファイルをダブルクリックせよ」と表示されるが、この REG ファイルを適用してはならない。適用すると pear コマンドが使えなくなってしまう。間違って適用してしまった場合、生成されたレジストリ値をレジストリエディタで削除した後、PCを再起動すればよい。
- Windows のコントロールパネルより、[システムのプロパティ]-[詳細設定]-[環境変数] で %ECLIPSE_HOME_PARENT%\xampp\php へのパスを通しておく。パスを適用するため、いったんログインをし直す。
※ パスの読み替えに注意!
- コマンドプロンプトを開き、 "pear list" コマンドを叩いてインストールされている PEAR ライブラリを確認する。
- PEAR の公式チャンネル(pear.php.net)のプロトコルが古いので、"pear channel-update pear.php.net" コマンドを叩いてアップデートする。
- "pear upgrade-all" コマンドを叩いて、インストールされている PEAR ライブラリのすべてを最新版にアップデートする。
※ エラーや警告がいくつか出るが、ベータ版しか見つからなかった、ターゲットファイルが見つからない、といったものばかりなので、無視していいと思う。
- Eclipse を起動する。ワークスペースフォルダーを聞かれるので、任意のフォルダを指定する。以後、このワークスペースフォルダーに各種プロジェクトを納めることになるので、あんまり適当なことをやると後で後悔するかも。また、次項のセッティング情報はワークスペースごとに保存される。コーディングスタイルはともかくとして、キーバインドや文字の大きさなどは共通情報として Eclipse 本体が持ってくれてもいいと思うが、そういう仕様らしい。
- Eclipse のセッティング。デフォルトでも十分に使えるとは思うが、VisualStudio に慣れていると特にキーバインドが使いにくい。他にも色やコーディングスタイルなどを修正してもいいと思う。
キーバインド
[ウィンドウ]-[設定] で「設定」ダイアログを開き、[一般]-[キー] の「キースキーム」で "Microsoft Visual Studio" を選択
文字の大きさ
「設定」ダイアログの [一般]-[エディター]-[外観]-[色とフォント] で、「色とフォント」ツリービューの [基本]-[テキスト・フォント]
テキストの色
「設定」ダイアログの [PHP]-[エディター]-[構文の色の指定]
コーディングスタイル
「設定」ダイアログの [PHP]-[コード・スタイル]-[コード・テンプレート]