国産のノートは価格に比例して全体的に性能が上がっていくので、CPU/HDD/Graphics/Memoryなど、どれか1つが強化されていれば良いと思ってもそうはいかない。そして軽量コンパクトな安いモデルは皆無。
反面EeePC等の海外(主に台湾)製ミニノートは低スペックですが軽量コンパクトで安価です。大体5万円強でWebブラウジングやメールの処理程度には十分な性能を持っています。
そこで、安価に購入できるモバイルノートのHDDをSSDへ換装し、1点豪華主義PCを作ることを考えてみます。
各社ミニノートの主要スペック
メーカー | ASUS | MSI | Acer | HP |
製品名 | EeePC 901 | Wind Notebook U100 | Acer Aspire one | 2133 Mini-Note |
CPU | Atom N270 (1.6GHz) | Atom N270 (1.6GHz) | Atom N270 (1.6GHz) | C7 1.2GHz/1.6GHz |
メモリー(最大) | 1G (2G) | 1G (2G) | 1G 増設不可 | 1G/2G |
ストレージ | 4G(C)+8G(D) SSD | 80GB 2.5" HDD | 120 GB 2.5" HDD | 120 GB 2.5" HDD |
画面 | 1024×600 | 1024×600 | 1024×600 | 1280×768 |
バッテリー | 6セル | 3セル | 3セル | 3セル/6セル |
価格 | 59800 | 59800 | 59800 | 59850/79800 |
赤文字はその項目で最もスペックが良い
各社一長一短ですね。一見するとHPの2133が一番良く見えますが、2Gメモリも6セルバッテリーも2万円高い上位モデルの仕様です。また、HPの2133は他の製品とCPUが違います。一概には言えないと思いますが、概ね同クロックのAtomとC7ではAtomの方が高性能の様です。また、画面解像度では突出しているHP 2133ですが、キーボードが英語なのが個人的には難点。そして低スペックなマシンでありながらOSがVistaというのも実用上気になるところです。
EeePCはメモリが最大2Gまで拡張でき、バッテリーも6セルですが、なんせSSDが曲者。Cドライブ4Gでは実用上不便です。その他の製品は全てHDD、容量が多いのは購入後のアプリケーションインストールやデータの持ち運びを考えると重宝しますし、これらの製品は2.5" SATAのHDDを搭載しているため換装も容易です。しかし、HDDを搭載した製品はHP 2133上位モデルを除きバッテリー容量が少ないという短所もあります。
残るAtom搭載の2台は似た性能ですが、Aspire oneはメモリ増設できないことが難点です。とは言えこのスペックのノートでOSもXPなので困ることは無いと思います。購入した後何も手を加えないのであれば、同価格帯で最もストレージ容量の大きなAspire oneは十分魅力的ですね。
※因みに日本では発売されていないEeePC 904はHDDモデルでWind NotebookやAspire oneと同等の構成
さて、本題のSSD換装ですが、EeePCは標準装備されている4Gと8GのSSDモジュールを外してマザーボードに実装されている1.8" HDD用ZIFソケットに接続することを想定し、他の製品は標準実装されているHDDをSSDへ換装するものとします。
換装作業はHDD勢の方が楽ですね。標準装備されているHDDとはめ換えるだけですから。EeePCはかなり分解してZIFソケットへフラットケーブルを接続する必要がありますし、そのケーブルも単体での入手は少々難しいです。(ZIF/CF変換基盤やZIFタイプの1.8" HDD用USBハードディスクケース等を購入すると付いてくるので、余計な出費になりますが、それらを購入すれば比較的容易に入手出来ます)
SSDそのものも2.5"の方が選択肢が広く、しかも最近では値崩れが激しく、低速のMLCモデルであれば32GBで3万円を切っており、年内には2万円未満のものも出てくるのでは?という勢いです(今調べたらトランセンドから既に2万を切っている製品が出ていた。性能がイマイチだけど)。また、SDHCやCFをRAID0構成で2.5" SSD化するキットも出ており、このようなキットを使えばより安価にSSD環境を構築できます。
1.8" ZIFのSSDはSamsung一択です(僕の知る限り)。価格は32GBで5万円弱。以前紹介したZIF-CF変換コネクタでCFをSSDとして使用するという方法もありますが、現在CFでは最大32GBで、しかも32GBのCFではx266以上の高速なものは殆ど出ていません。
ここまでの事からコストを含めてSSDへの換装を前提にミニノートを選ぶとMSIのWind Notebook U100が最有力候補になります(メモリーを気にしなければAspire oneでも良い)。しかし、前述の通りこの製品は標準のバッテリーが3セルで6セルのEeePCよりバッテリーの容量が少ないです。ミニノートはどこでも使える携帯性が魅力の1つなので、バッテリーの持ちは重要。大容量バッテリーもオプションとして出る予定があるそうですが、当然その分の出費も必要になりますし、もしかすると大容量バッテリーを装着するとその部分が出っ張り携帯性を損なう可能性が有るかもしれません(物を見たことが無いので何とも言えませんが)。
SSDへの換装を前提にバッテリー容量等を含め考察してみましたが、実はここに書いていない部分にも特徴があります。例えばEeePCでは無料で20GBまでのネットワークストレージを提供してくれるサービスがありますし、Wind NotebookはバックライトがLEDです。ただ、色々見ていくと迷ってしまって結局どれにすればいいか決められなくなってしまいますね。
僕は結局ここまで考える前にEeePCを買ってしまい現在Samsungの32GB SSDへ換装して使用していますが、OfficeやVisual Studioの立ち上がりはミニノートと思えないほど早いですし、バッテリーも長持ちします。
1点豪華主義ノート、いいですよ。