YaneuraoGameSDK.NET(通称Yanesdk.NET) 1.50系開発完了のお知らせ。
本日2006年12月19日をもってYanesdk.NETのversion 1.50系の開発は完了した。当初、目標として掲げていたものがどのように結実したかご覧いただこう。
・.NETを用いてWindows/Linux/MacOSで動作する実用的な商用ゲームプログラミングが可能であることを示す
実際、これにせよ商用オンラインゲームを開発し、十分.NETの真価を示せたと思っている。また、Yanesdk.NETで開発したゲームはWindows98/SE/ME/2000はもちろん、WindowsXP(x86,x64),WindowsVista(x86,x64),Fedora5(x86,x64,PS3),FreeBSD,MacOSなどで動作確認できた。ゲームのバイナリもYanesdkのバイナリもすべての環境で共通であり、特定環境用にコンパイルしなおす必要は無い。
・C#だけでなくC++/CLI,VisualBasicからも利用できるゲームライブラリの製作
Yanesdk.NETをCLS準拠にすることによりC++/CLIやVisualBasicからも利用できるようになった。VisualBasicで100FPSオーバーの表示速度は圧巻である。
・SDLを.NETから利用する方法を確立する。
これについては達成できた。.NETから扱うためのヘッダを用意し、それがx86/x64環境の両方から正しく呼び出されるようにした。
・OpenGLを.NETから利用できる方法を確立する
これについても達成できた。さらにWindows環境ではFormにコントロールとして貼り付けて使うことが可能である。
・各コミュニティに貢献する
開発の途中で発見したmonoやSDLのバグについてはそれぞれmono公式,SDL公式にreportした。
.NETからSDL/OpenGLをx86/x64環境の両方で利用する例はあまり類を見ないためバグを発見する機会に恵まれたことを感謝している。
また、Yanesdk.NETのプロジェクトはmonoで実用的なアプリが作れるのかという疑問に対する答えにもなっていると思う。Yanesdk.NETのソースは1.2MB程度あり、genericsの技法などを交えて書かれており、gmcsに対する試金石の役割をも果たしたと思っている。
よって上記の当初のプロジェクトの目的はYanesdk.NET version 1.54でほぼ達成したと思う。あとはノベルゲーム対応、マップ表示対応、スプライト表示、スプライトエディタ作成、マップエディタ作成、3D対応、物理エンジン対応などであるが、これらは手間はかかるものの技術的に難度はさほど高くない。つまり現在のYanesdkで技術的な障壁はすべてクリアした状態にあると考えて良いだろう。