その人は私の会社に出入りしている業者の一人だった。
今日は関連会社の新作発表があったのでそのイベントに呼ばれてそこで何となく隣にいたので会話した。
一応私がお客様になるのかもしれないが特にそういうことを気にした風でもなく気軽に話かけてきた。
年齢は彼の方がぐっと上である。
しかも私は社内でもほとんど権力的なものを持たない。
おまけに普段は全く擦れ違う事もない部署なので、むしろ彼は私を弟くらいの感じに接してきたのだろう。
私は自分で言うのも何だが基本的に人間嫌いだったりする(ニートの気があると思う)ので、
面識がそれほど無い人にそうやって気軽に接せられるのがあまり好きではなく無愛想になってしまうのだが、
(※ただし相手が可愛い女の子だと急に人間好きになり面識が無くても饒舌になるのだ。そういう部分はニートというよりもアキバ系ヲタク人間としての資質もかなり多いのである。どっちにしても人間的な質は非常に低いのである)
実は春先で気分が良く、ついでに酒も入っていた事もあって、
とりあえず力を抜いて何も考えてない感じで私も彼に合わせて冗談など言って機嫌よく弟を演じていた。
まあ普段の私を知っている人には”あの無愛想な●●が!”と青ざめられる風景であったのには間違いない。
・・・そういう意味で彼にとっても今日は非常にラッキーだったかもしれない(笑
彼は私の目にはSEに見えるのだが、”いや違うコンピュータ技師なのだ”と言う。
私は同じ意味じゃないのかなあと思ったのだが、本人がそう言うのだからまあこの部分はスルーした。
しばらく話していると彼のコンピュータに対する認識がちょっと時代遅れであることに気付いた。
たとえばあるプロセスが暴走すると他プロセスへ干渉をきたすと思い込んでいる。
そういう時代はとっくに終わったのだと説明してみたのだが納得している風ではなかった。
彼は会社では汎用機とUNIXを使って仕事をしているらしい。
当然だが最近のUNIXではなくて20年くらい前のUNIX機である。
そして極めつけは彼は自分のパソコンを持っておらず、携帯電話さえもっていないそうだ。
当然だがインターネットをする機会も訪れていないらしい。
彼の語るアナログな話を最初は馬鹿にしていた。
聞けば聞くほど彼はとても時代遅れだと思った。
しかし結構酒も進み、いつもになく真剣に人の話を聞いていた私は、彼の話を聞くにつれ自分が色々と勘違いしている事に気が付いた。
私はコンピュータが便利な世の中をもたらしているのだと思っていた。
私はコンピュータをプライベートでも使っているから時代の先端をいってると思っていた。
しかし現実にはやっぱり人間が世の中を便利にするためにがんばっている。
そして時代の先端をいってるのはコンピュータであり私自身は何も進歩していないのだと気付いた。
いつもの私であれば彼に安いパソコンを勧めたりインターネットを導入する方法などについて偉そうに教えてあげたりしていたかもしれない。
しかし私は彼に今度電気パーツの店とかに一緒にいって電子部品の話を教えてくださいとお願いをしてみようかなと思っている。
ただし今後こういう連絡をしたいときに色々不便だから携帯だけは偉そうに勧めてやろうと考えている。