事件無関係の女性をネット中傷 発信者情報開示を命令(神戸新聞)より:
「最も悪質なのは書き込みをする人たち。書き込みを実名にし、書き手にも責任を持たせる法律作りを急ぐべきだ」と指摘している。
ふ~ん。実名を出す、ねぇ。その「実名」って、どういう範囲で言っているんだろう?
たとえば、個人でドメインを取得すると、取得するときに住所、氏名、連絡できる電話番号を登録しなければなりません。それは、whois データベースに登録され、公開されます。ただ、アルファベットなので、日本の場合、どういう漢字を書くのかまではわかりません。中さんの場合、"Hirotoshi"であることはわかっても、「弘敏」「広敏」「博敏」「裕俊」のどれなのか、どれも違うのかは、わからないです。
で、実名って?
以前取り上げた、JanJan ニュースというところは、本名が原則だそうです。ん?ペンネームもいいのか。ほうほう。実在しそうなペンネームであればいいらしい。
はい注目!「実在しそうなペンネーム」と、「実名」とを、どうやって判別しますか?あるいは、「同姓同名、ついでに同じ漢字の別人」を、どうやって識別しますか?
私の「はなおか じった」だって、「花丘 実太」と書けば、ありそうな名前じゃない?
それとも、みんながみんなドメイン登録のような手続きを踏んで、名前と住所と連絡先をぶら下げ、ついでに「国民総背番号制」の背番号も背負いますか?つまり、ネット上での行動をすべて監視される、という意味ですけど。
2ちゃんねるの「匿名」が問題になるのは、2ちゃんねるが匿名を受け入れるのが問題なのではなく、管理人が法律の穴をついて司法によって拘束できないことが問題ではないでしょうか。上の神戸新聞の記事には、住民票の住所に居住している形跡がなく、会社が把握している住所にも居住している形跡がない、とありました。そのため、裁判所からの命令書だっけ?配達記録付きの郵便で送られるのだけれど、それを送ることができず、裁判所の掲示板に張り出すことで、司法は責任を果たしたことになるそうです。
誰が見に行ったりするんだよ。。。
つまり、2ちゃんねるに対していわれる匿名の問題の本質は、司法がその役割を果たせないことであり、「匿名で意見すること」とは違う問題だと考えます。
で、あっちやこっちで犯罪予告をしている人が逮捕されています。基本的に、インターネットは匿名ではありません。そこをね、なんかね、誤解しちゃいませんか。
機械と機械が、Web の掲示板であれば TCP という手順で通信しています。これは、「送ったよ」「はい、受け取った。次送って」「わかった。これが次のデータ」「はい、受け取った。次送って」「もうないよ」と、交互にデータが送れたこと、受け取ったこと、間違いがないことを確認しています。そのためには、相手が誰だかわかっていなければなりません。相手が誰だかわかっている以上、匿名ではない、ということです。
「誰だかわからないだろう」と思って書き込んで、逮捕されている人は、こういうインターネットの仕組みを知らないわけですね。
なぜ捕まるのか。「足がつく」からです。足って何?記録です。交信した記録が残っているので、「何時何分、このデータを送ったのは誰だ?」と記録を参照すれば、どこのコンピュータかわかるということです。
この記録をだます、唯一の方法と思われたのが、他人の無線 LAN に相乗りする事です。しかし、この方法で何かした人が捕まっています。よって、この方法も、完全に匿名になれるわけではなさそうです。まぁ、この方法が通るなら、無線 LAN ポイントからの書き込みはすべて匿名になるわけですから、何らかの対策が講じられていてしかるべきでしょう。
投稿日時 : 2008年7月29日 22:00