第3回 トラブルシューターは一匹狼 有害な“正論”を盲信するな
危うい正論の第2は,「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を欠かすな」というもの。多くの新入社員は,「悪いニュースほど早く上司に知らせて判断を仰げ。決して自分で判断してはならない」と,入社時に教わるはずだ。
中略
そのことを押さえたうえで,あえて言わせてもらえば,トラブルシューターには,「たとえ判断が間違って自分の人事評価が下がっても,それが何だ」という気持ちで仕事に取り組んで欲しい。上司に障害を報告せず,わずか一昼夜,手元に情報を握っただけでガタガタ震えるような小心者には,絶対に務まらない。一匹狼こそが,トラブルシューターの真髄なのである。
がるさんところやkokaさんところでも話題になっていたけど、こんなこと考えるのは、この記事の著者さんだけだと思っていた。少なくとも、どこかのメディアで記事として書かれるものは、これだけであって欲しいと思っていた。ところが、現実はそうでもなかった。
連載 目指せ!シスアドの達人-第2部 飛躍編(9)第9話 試験に合格したものの、上級にふさわしくない坂口(途中に飛びます)
何でも報告・連絡・相談がないと動けないやからが多過ぎる。自分で考えることの大切さが分かっとらん
いや、その、あの、これ、なんちゅうか。。。はぁ。。。
報告や連絡は、メールでもメモでもできる。特に連絡については、移動しながら電話という方法もある。上司がいるなら、上司に今自分が何をしているか知ってもらうこと。何をしているか知らせる、知っていてもらう、「知っとけや、おらぁ!」というのは、至極当然だし、上司には知っている義務と知る権利がある。上司自らその権利や義務を放棄するって、どうよ?
報告と連絡は、似ているけど、違う。連絡は、とにかくどんなときにでもできる。今の状況が伝えられれば、それだけで終了。しかし、報告は違う。今やっていることが、なぜ発生したのか。どれくらいかかる作業なのか。どれくらい完了しているのか。どんなことが問題になりそうか。それについてどのように対策をしているか。そういう、現在の状況と先の見通しをまとめて伝えるのが報告。どちらにしてもこの二つは、現在の状況を伝えることが目的。上司はそれを知って、次の計画を立てる。報告や連絡をいらないということは、次の計画を立てないといっているのと同じことじゃない?それって、仕事を放棄しているっていわないかね?それとも、人がどんな仕事をしていようがお構いなしに次の計画を立てるの?それって、非常に迷惑なんだけど。
さて、おそらく、この二つの記事に共通するのは、「相談」に対する誤解。相談を誤解しているから、「ホウレンソウ」を否定してしまっているのではないだろうか。
がるさんが、「攻めの相談」と書いているが、「攻めの相談」を受けていたなら、おそらくこのような記事は書かれなかったのではなかろうか。あるいは、自分たちは「守りの相談」しかしていなかったのではないだろうか。
では、「攻めの相談」って何?
こいつをするには、相談を“する方”に、それなりの経験と知識、技術が必要になります。そして、この相談をするときには、必ず報告もセットになります。
つまり。障害対策の「攻めの相談」を例に挙げると、「これこれの障害が発生しました。原因はここのところの、こういうコーディングです。現状、お客様の業務に、このような支障が出ています。これについて、運用上、このようにしていただけると回避できるため、そうしていただいています。対策についてですが、こう直します。これによる影響範囲はこれだけです。対策によって、このような変更が発生します。またお客様の業務については、このような変更をしていただく必要があります。対策にはこれだけの時間が必要で、確認にはこれだけの時間が必要と見積もっています。お客様のところに修正を適用するのは、何日の何時頃がよいと思います。以上のように対策を行いたいと思いますが、よろしいですか。」
この中で、「以上のように対策を行いたい」より前が「報告」。相談しているのは、その報告で言及している対策を行ってよいかどうか、ということだけ。この報告を受けることで、上司は、誰が、どれだけの時間、拘束されるかがわかる。それによって、どれくらいの費用が発生するか、見積もることができる。影響範囲が報告されているので、その影響がお客様に与えるマイナスイメージを想像することができる。それらのことから、相談に対して「Yes」か「No」を返すだけでよい。(ってことで、よかったですか?>がるさん)
このような報告と相談ではなく、たとえば「お客様のところで障害が発生しました。どうしたらいいでしょう?」という、連絡と相談だったら?上司がすべて、次に何をするかを考えて、指示しなければならないなら、「そんな相談はいらない。むしろするな」といわれるでしょう。この意味においてのみ、2つの記事は正しいと言っていいでしょう。
しかし、ホウレンソウにおける相談とは、そのようなものではありません。上司が「Yes/No」だけ答えればいいような、あるいはちょっとしたアドバイスを追加してもらえるような、報告とセットの「攻めの相談」こそ、ホウレンソウが意図する相談なのです。お客様の業務に影響を与えるものを、上司の承諾無しに実施してはいけません。また、上司は部下に任せてはいけません。そこの責任を持つのが、上役の仕事です。すなわち。部下がポカったときに、どうするの?「俺は知らん。こいつが勝手にやったことだ。」と言うの?そうではないですよね。どこまで上が出てくるかわかりませんが、上司が謝りに行きますよね。そのときになってはじめて、「どうなっているんだ?」と聞くのですか?
確かに、個人個人が責任を持って仕事をすることは大事です。しかし、その責任の範囲を誤ってはいけません。
投稿日時 : 2007年8月20日 22:20