IronRubyはWindowsで動作するRuby処理系です。
Windowsで動作するRubyは以前からありましたがWindows版として紹介されるRubyはCOM前提のままであり現在のWindowsの言語系=.NET言語への対応を積極的はなされていませんでした。
しかし、IronRubyは.NET Framework上で動作し、例えばRuby 1.0は、.NET Framework 2.0版と.NET Framework 4版があり言語仕様はRuby 1.8.6をベースにしています。
今回紹介するIronRuby 1.1は2010/10/21にリリースされたIronRubyの最新版で、.NET Framework 4版のみが提供されていてRuby 1.9.2の言語仕様をベースにしています。Ruby 1.9.2がリリースされたのが2010/08/18なので約2か月のタイムラグがあります。この2か月というタイムラグが遅いか早いかは意見のわかれるところですが私としては十分早いものだと思います。
Rubyは1.8系と1.9系では処理に違いがあり、本家のRubyでも1.8系と1.9系は使い分ける(とはいっても徐々に1.9系が主流になるとは思いますが)ようですので、IronRubyも使用したいRubyの処理系に合わせて選択する事になります。贅沢をいえばRubyと同じバージョン番号にした方が分かりやすかったのにとか思います。
IronRubyがインストールできたらコマンドプロンプトから「ir」とタイプしてIronRubyを起動します。
ただし、このままでは日本語を使おうとすると文字化けしてしまうので、起動時には「ir -Ks」とShiftJIS指定で起動した方がいいでしょう。
なお、IronRuby 1.1はWindows Phone 7で動作する「IronRuby 1.1.1 Binaries (includes binaries for Windows Phone 7)」もあります。
このあたりはWindows Phone 7が戻ってきたら確認したいと思います。