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わんくま同盟国物語 第02話

第02話 <ヘンテコな釣りの名手>

赤ちゃんを乗せた籠は川の流れにまかせて、どんどんと下流へと流されています。
時には、突き出た岩にあたり、またある時は小さな渦に巻き込まれて木の葉のように回転しながらも川面を流れて、その度に赤ちゃんは籠から落ちそうになるのですが、不思議と投げ出される事もなく、今も無事なようです。
ですが、確実にこの川の先には滝があり、この滝に落ちてしまえばひとたまりもありません。
お茶好きの老人からも、すでに赤ちゃんを乗せた籠は見えない距離まで流されていて、老人もこの籠の存在をすっかり忘れてしまっている様子です。
川瀬には人影もなく、あと半刻も過ぎないうちに、この赤ちゃんは滝によって投げ出されてしまう所まで来てしまいます。
ああ…どうやらこのままこの赤ちゃんと運命とともに、この物語も終わり迎えてしまう事となりそうです。


同じころ、場所は違って、ここは同じ川の流れでも、滝を越えた先にある岩場の風景です。
この滝壺近くの岩場に、なぜか釣り糸を垂らした彫像があります。
この彫像、よろいを着た人間の形をしているのですがどうにもヘンテコな形で、なんともいえない愛嬌があります。
でも、この彫像を見ていると、いろんな事がおかしく思えてきます。
まずよろいを着た彫像といえば、剣を持っているとか、馬に乗っているとかが普通なのですが、この彫像はなぜが釣竿を持っています。
そもそも、こんな所によろいをつけた彫像があること事態がヘンです。
見れば見るほど疑問だらけなのですが、さらに付け加えると、この釣竿はどうやら本物らしく、この釣り竿は川の流れによって動いています。
と、その時です。彫像が不意に大きなあくびをしました。
どうやらこの彫像、なぜか命があって、自分で動く事ができるようです。
こうなると、すでに人知を超えてしまっているのですが、どうにもこの物語の理不尽さは受け入れるしかなさそうです。
そして、耳を澄ましてみるとこの不思議な彫像は独りごとを言っています。。

「ふぁ~っ、今日はぜんぜん魚がつれないなぁ…。」
「ご主人様きっと怒るだろうなぁ…。」

たぶん、この彫像は、ある人が自分の世話をさせる為に作った、魔法のお手伝い人形なのでしょう。
そして、今日はそのご主人様のために魚を釣っているようです。
見た目はぶさいくなのに中身はしっかりしているのかもしれません。

そういえば皆さん、この滝から流れ落ちそうな赤ちゃんがいる事を忘れていませんか(そんな事は無い。)
もしかしたら、この人形ならば、落ちてくる赤ちゃんに気付いて助けてくれるかもしれません。

よろいを着た不思議な人形は、釣れる気配の無いポイントの釣り糸を自分の所に引き寄せて、もう一度違う場所に投げようとしています。

「いつもだったら、ボクが釣りをすればどんどん人が釣れるのになぁ~。」

どうやらこの人形は魚釣りと、どこかの自分のBlogの事と一緒にしているようです。
そちらの釣りはかなりの名手なのですが、実際の魚釣りはそういう訳に行くはずもありません。
そして再度、釣り糸を川面に投げ入れたちょうどその時!
なにか、影が、滝の上から落ちてきたかと思うと滝壺の中に消えたのが見えました。

「あれっ? 今何か落ちてきた様に見えたけど…」

と、滝壺を目を凝らしてみてみるのですが、水しぶきで奥までは良く見えません。

「気のせいかなぁ、何か落ちてきたと思ったんだけどなぁ…」

しばらく落ちた辺りをよ~く見たのですが、しばらく見ていても結局何も見えてこないので、気持ちを魚釣りに戻そうとした時、釣竿になにやら手ごたえがあるのに気がつきました。

「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!」

あわてて釣り糸を引っ張って、魚をたぐり寄せようと引っ張りあげますが、これがまたかなりの手ごたえです。
かなりの重さで、なかなか近くまで釣り糸を引く事ができません。
ようやく、大物と思えるソレを引き上げてみると、魚とは違う何か変わった物がつりあがっていました。

「うわっ 結構大物が釣れちゃった。」
「ボクってやっぱり釣りの才能あるのかな。」
「でもなんか変わった魚だなぁ。」
「人間みたいな手と足がある魚なんて、すっごく珍しい魚がつれちゃったよ。」
「まあ、いいや! どうせボクが食べるんじゃないし。珍しいからきっとご主人様も喜んでくれるに違いないよね!」

ああ…大きな勘違いです。それは魚じゃなくて、滝から落ちた赤ちゃんです。
すっかり大物の魚を釣り上げた気でいるこの人形は、この釣果で今日は充分と思い、帰り支度を始めています。
赤ちゃんと魚を間違えるなんて、なんとお馬鹿な人形でしょう。
とは言え、赤ちゃんが無事に助かる事が出来てなによりです。
さてこの人形、この今日の獲物をどうやって持ち帰ろうか思案していると、ちょうど、滝壺から籠みたいな入れ物が浮かび上がってきたのに気がつきました。

「ラッキー ちょうどイイや、これに入れて持って帰ろっと!」

そういって、川から拾い上げた籠に赤ちゃんを入れると、脇に抱えて人形はご主人様の待つ家へと帰っていきました。

無事に助けられたこの赤ちゃん、一体どうなってしまうのでしょうか?
そして物語は迷走する…次回乞う御期待!!!(続くのか?)

投稿日時 : 2006年11月13日 14:08

Feedback

# re: わんくま同盟国物語 第02話 2006/11/13 16:56 アクア

今回登場の魔法の人形、名前は未だ伏せていますが、バレバレです。
「僕(私)だ!」
と思われた方、たぶん当たっています。

# re: わんくま同盟国物語 第02話 2006/11/13 16:59 R・田中一郎

ひゃっひゃっひゃっw
随分と間抜けな人形ですね~w

ところで僕はいつ登場するんだろう?

# re: わんくま同盟国物語 第02話 2006/11/13 21:56 アクア

うん、随分間抜けだね! ^▽^/ ってオイw
でもゴメンナサイ、スミマセン、一応フィクションということで許してください。
バイクにトランスフォーム出来るようにしますから!…あれっ!?(違


# re: わんくま同盟国物語 第02話 2006/11/13 22:30 ぽぴ王子

> この釣竿はどうやら本物

これがのちのR・田中一郎である。


> この物語も終わり迎えてしまう事となりそうです。

                              糸冬
                          ---------------
                          制作・著作 NHK

# re: わんくま同盟国物語 第02話 2006/11/13 23:47 backdoor

>ひゃっひゃっひゃっw
>随分と間抜けな人形ですね~w

>ところで僕はいつ登場するんだろう?

このコメントが付いたため内容がとても面白くなった気がしましたが。

# re: わんくま同盟国物語 第02話 2006/11/14 1:39 刈歩 菜良

ご主人様誰だろ。
わくわく

# re: わんくま同盟国物語 第02話 2006/11/15 18:07 恣意の

>ご主人様誰だろ。
>わくわく
むしろ赤ん坊の正体にわくわく

# あっさりと正体がワレるのかと思ってた
# 首飾りと絡めて最後まで引っ張るみたいでwktk

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